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鈴木酒造店長井蔵謹製
“純米吟醸 甦る”
“3.11東日本大震災”
2011年3月11日
あれからもうすぐ10年。
当時も私は奈良県におり、
あの惨劇をネット経由で知り
テレビの実況中継をじっと見入って
いたことを鮮明に覚えている。
というのも、
ちょうど気仙沼出身の
仕事相手の女性と商談を始める
というタイミングだったからだ。
彼女は同年4月に結婚を控えていた。
彼女は変わり果てていく故郷の姿を
目の当たりにして呆然としていた。
彼女の紅潮させた顔を横目に
大丈夫かと見守っていた。
しばらくして彼女は
「もう見るのは嫌だ」
「テレビを消して欲しい」と言った。
数日後、
彼女のご家族全員無事だった
と聞きホッとした。
ほどなくして彼女は転勤していった。
今、彼女はどうしてるんだろう。
3.11が来るたびに思い出す。
もう1人、必ず思い出す人物がいる。
正確には1人ではなくファミリーだ。
その1人は、奈良の酒蔵での修行を終え
福島県浪江町の実家に戻って
家業の酒蔵を手伝っていた。
その彼とは、現 鈴木酒造店長井蔵
代表取締役 鈴木大介氏。
あの津波の惨劇から、
すぐにこちらから連絡をするのは
めちゃくちゃ迷惑だと思い、
彼の前職場に連絡を取り
安否を確認した。
数日後、
無事ということを聞き、
安堵したのを記憶している。
それから彼は
数々の苦難を乗り越え、
“新天地”山形県長井市に移り住み
今、家族と一緒に酒蔵を営んでいる。
彼の車に同乗して
長井市周辺をドライブしていると
地元の人たちからすれ違う度に
「大介くん!大介さん!」と
声を掛けられていた。
めちゃくちゃ大事にされていると感じた。
彼は今、長井市で
ええ酒を造ってる!
ええみりんも造ってる!
私は彼の造るお酒を売れることが
非常に誇らしい。
昨年夏、彼の近くを通ったので
彼のところに顔を出した。
相変わらず、ええ顔してた。
忙しそうだった。
家族全員、関係者全員、
ええ雰囲気だった。
彼は使命感を持って酒造りしている。
“俺は天から酒を造れ!と言われた”
と思っていると。
私より年下だったはずの
彼の髪の毛はほとんど真っ白
になっていた。
実は今年、福島県浪江町で
彼の“磐城壽”が復活する!
着々と進んでいる。
先日、彼のSNSで見た
相馬税務署長からの「お帰りなさい」の言葉。
彼は「危うく涙するところだった」と
その場をけむに巻いてたが、
不覚にもこっちが彼の文を読んで
涙してしまった。
この“純米吟醸 甦る”というお酒は
長井市、被災地、飲み手を繋ぐ酒。
人には忘れてはならないことがある。
そんなお酒なんです。
私にも使命がある。
彼らのようなお酒をお客様に伝えること。
3.11が近付くと、
いつも思い出させてくれます。
“農と発酵Zen”では
数は少ないですが、
飲んでいただくことも
お買い上げしていただくこともできます。
ご来店をお待ちしております。
彼の今シーズンの酒造りが
ひと段落したら
また彼と一緒にお酒を呑みたいな。
https://www.minyu-net.com/…/news/FM20200728-520841.php

空前絶後のコロナ禍。
多数の方が苦しまれ、
明るいとは到底言えない世の中に
なってしまいましたが
一刻も早く
コロナ禍終息に目処がたち、
罹患者の方々も回復され
再び、
笑顔と、元気さ、楽しさで
満ちあふれる世界に戻ることを
心から祈念しております。

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